SUMITO SAKAKIBARA
SOLO EXHIBITION
MYTH IN THE BACKYARD
裏庭の神話
2018,11,17 Sat,〜12,1 Sat,
12;00−19;00
Closed on Sunday and Monday
東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」A10出口より徒歩2分
JR総武快速線「新日本橋駅」3出口より徒歩2分
映像作家の榊原澄人さんの個展、新日本橋駅近くの
YUKI−SISにて12月1日まで開催中です。
アニメーションの原画と一緒に、中尾太一さんの詩も展示されています。
■
榊原澄人さんの絵は初めてと思っていましたが、2014年に
『その月は僕にとっては残酷な月だったけれど、君にはどうだっただろうか』
という公演で見ていることに気づきました。
麻生アユミさんのダンスの舞台で映し出された
一面にこの世界のさまざまな場面が描かれたアニメーション、
その部分に洞窟から泣いて走り出してくる(駆け込んでゆく?)女性の姿がありました。
当時、スーザン・ソンタグの『他者の苦痛へのまなざし』を繰り返しひらいていましたが、
その表紙に、ゴヤの「かわいそうなお母さん!」という絵が使われていました。
ゴヤの泣いている女の子の姿と、榊原さんのアニメーションと
麻生アユミさんの切なく美しいパフォーマンスが重なって、
思い返すと今でもこみあげてくるものがあります。
今回の個展で映し出される映像もそうですが、
場面は反復し、延々と繰り返されます。
繰り返し切断し傷つけるというこの世界の残酷さと悲しみと、
それでも当然のように何度でも復元するという再生の力強さと。
見続けるうちにいつのまにか励まされる思いがするのは、
生まれて生きて傷つくたびに必ず何度でも立ち直るという
わたしたちの生きる姿への信頼を確信できるからのように思います。
初日に行われた榊原澄人さんと中尾太一さんと山嵜高裕さんの
トークがあたたかな内容だったのも、映像と同じものが流れて
いたからではないかと思います。
「友だち」という言葉を聞いたのが、うれしかった日でもありました。