よるの町を
月と
青い童子がもどってくる
海沿いの
美しい夏の店から
もぎとられた金の腕…細長いブリキのジョロ…丸い果物
などを買って買って。
(詩集『浦へ』所収「だまっていてください」より)
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今日9月26日は、福井桂子さんの御命日です。
今日は、『現代詩文庫248 福井桂子詩集』を持って
家を出ました。
短い昼休みに、職場の片隅でそれをひらいて、
同じように出先で読んでいる人がいるかもしれないと
つながる細い糸を引くような気持ちで。
一冊の詩集を手にする幸福はかけがえのないものですが、
その詩人の生涯の詩集を一冊にまとめたものを鞄に入れて
携帯できることもまた大きなよろこびです。