*画家の矢野静明さんが、枯れ枝でつくったちいさなベッドの写真を送ってくれました。
*それを眺めていたら、詩ができました。
たましのベッド
これはベッドです
びょうきでしんだひとのたましがのっています
なんにもかなしいことなんてないんですよ
びょうきのときはくるしくてきゅうくつだったけれど
こんなにかざとおしのよいベッドにねているので
いまはたましもすこやかです
あんなにやんでいたはいも
ほら、こもれびがとおりぬけるくらいきれいでしょう
もともとまじめでかしこいたましだったので
なかなかやすむことができないのです
いまでもよわったかぞくのかおをのぞきこんだりするのです
でもいまはねています
とてもやすらかです
まだしんでいないひとも
こうしてたましがやすんでいるのをみると
あんしんするのです
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*この詩を、この5ヶ月間いのちの際でずっとがんばりつづけたあにと、
それをあきらめずに支えつづけた家族に捧げます。
*不思議なタイミングでベッドの写真を送ってくださった
矢野静明さんに感謝します。