古賀忠昭さんの『血ん穴』新装版が弦書房から刊行されました。
(定価1600円+税)
巻末には、山本源太さんと稲川方人さんの解説がついています。
入手困難で読めずにいた方も多いのではないかと思います。
どうぞ新装版の『血ん穴』でお読みください。
古賀さんのからだの中でたくさんの人の血が沸きたち、 古賀さんの身体を借りて声をはなっているようです。 その声を引き受けた覚悟と、その声を塞がなかった信念を思うと、 激しい詩の言葉を書いた詩人が、人間としては穏やかで優しい人だった ということも、納得がいくのではないかと思います。 最初その凄まじい世界にとまどい、読みきるのが精一杯でした。 『血のたらちね』を読むことによって、『血ん穴』の世界への抵抗もやわらぎ、 詩人の真の姿も見えたように思ったのでした。 今、新装版の『血ん穴』を手にして、古賀さんが遺したものの周りには、 生きている人のあたたかい血と思いが通っていると感じます。