もう数週間前の話になってしまったが、
娘の飼い猫が家を飛び出し、帰ってこないというので心配した。
最近、何度か掃き出し口から外へ出ることを覚え、その度にひやひやしていた。
でもこれまでは近所で見つかってほっとしていたのだった。
ところが今回は、5日経っても見つからない。
娘は一晩中、自転車で走り回り、怪しまれて職質まで受けながら探したが、
それでも見つからない。
鳴き声さえも聞こえない。
今年はわりと暖かいけれども、とうとう大雨が降って、皆が不安な気持ちになった。
そしてその翌早朝、娘がよく似た猫を見かけたという。
蛙をくわえていたという。(とほほ……)
あるぴのイントゥーザワイルドか。
しかし事故にも遭わずに生き延びているかもという希望が見えた。
そしてその夕、家族がふいに勘が働き、朝見かけたというその場所に行ってみると、
向こうを歩いているのはうちの猫らしい。
近寄らずにこちらに気づくのを待っていると、向こうからすり寄ってきたとのこと。
「なんか、とぼとぼ歩いていたよ」
という報告を聞き、皆で涙したのだった。
元気だが、疲れきっている様子との写真が送られてきた。
なんとようやく安心して眠れるというわけか。
しかし噛み傷だらけで、こわい夢を見ているようだという。
あるぴの、手痛い恋をしたのかい。
しばらくおとなしいようだということだが、蛙ジビエをたまにはなどと、
また出ていったりしないことを願っている。