今年は気圧のせいか、めまいでつらい思いをしている人が多いようだ。
知人でも数人、病院に行ったというし、このわたしもふらふらしている。
それで、だからというのもへんなのだけど、仕事をしながら
辻征夫さんの詩が頭に浮かんで気になったので、
今あの<抒情詩人はみんな血まみれえ>という詩を探していたところ。
現代詩文庫を3冊本棚から取り出して、ぱらぱらめくっていると、
「挨拶」という詩のページが自然とひらいた。
たぶん、何度も読んでひらき癖がついていたのかもしれない。
その詩を。
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挨拶
――結婚に際して
いくこよ
おれのあたまのなかは
いつもいつも夕焼けなんだ
夕日が八輌乃至十輌連結で
次から次に沈んで行く……
いくこよ
おれを夏または秋の
日暮れの
燃える空だと思え
やがて来る(だろう)
おれの夜には
星はお前が輝かせよ
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もっと好きな詩がたくさんあるのですが、不意にこんな言葉を読んで泣けてしまった。
それでそのさっきの<血まみれえ>の詩は、「萌えいづる若葉に対峙して」です。
たそがれているような感じですが、これは朝日です。
うまくつなげることもできず郷里の写真を数枚。
ふるさとは……蜘蛛の糸や雨のしずく。