さて、まずは駅から近い円覚寺へと向かった二人。
橋を渡って線路の向こう側へ行こうとすると池に鳥がいます。
なんていう鳥だろうと思ったら、橋の途中に立っていた男性が
あれは「青サギ」の子どもだと教えてくれました。
えー、鎌倉にサギがいるなんて…、知らなかった……ショック。
実は最近まで、鎌倉にリスがいることも知りませんでした。
福井桂子さんの詩の世界は、身近にあったのですね。
青サギはまだ子どもなので、餌をうまくとることができないということ。
すべるような歩き方をします。
羽根をひろげると1メートルくらいになるそうです。
福井さんの詩の断片がひらめいて重なります。
「今餌をとるから、その瞬間を写真に撮るんだよ」とせっかく教えてもらったので、
しばらくその瞬間を待ってカメラを構えることに……(笑)。
残念ながらその瞬間まで待てませんでした。
「そんな真っ黒な恰好じゃ、蜂に刺されるぞ。そんなことも知らねえんだな」
知らずにいつもの恰好で鎌倉に来てしまいました。
親切な方でいろいろ教えてもらいました。ありがとうございました。
◇
さあ、円覚寺へ。
まずは仏殿へ。本尊の宝冠釈迦如来像。
天井画も見事です。
(画像をクリックすると大きなサイズになります)
選仏場の薬師如来立像。
松嶺院の十月桜。
階段を登っていくと名女優、名俳優のお墓もあります。
「円覚寺ってアンジロウさんのお墓もあるんだよね」と娘。
それは冗談で言ってるのかい……まさか、ほんとに知らないとか……。
せっかく来たのだからと名監督のお墓を探して、階段をあちこち上ったり下りたり。
しかも暑い日でした。
長い階段を上って、洪鐘(おおがね)は見つけました。
既に息切れして、心臓が早鐘を打っています。
脚ががくがくになり、お腹も空いた母娘は、もう出ようと言いながら
あきらめきれずに探し回り、とうとうそのお墓を見つけ、お線香をあげたのでした。
娘よ、こんど日本の映画を一緒に観ましょう。
それにしても最初の円覚寺で、すでに体力を使い果たした感じです。
つづく。