先週(6月12日)は、青森へ。
『伊藤二子と八戸展』の最終日でした。
先月、5月の初旬に訪ねた時は、深夜バスで行きましたが、
今回は新幹線で。
車窓の景色を眺めながら、つらくやりきれない思いでした。
「がんばろう」も「がんばれ」もなんだか気持ちがすり減るようで、
この一か月間で、澱のようにたまった疲れを感じます。
そんな整理されないわたしの雑念は、
伊藤さんへのいくつもの愚かな質問となったと思います。
伊藤さんは、お元気でした。
公開制作された大作も、見事に完成し、展示されていました。
会場は、伊藤さんの揺るぎなく、人生を通して貫かれたものによって張りつめ、
ゆるんでいたこちらの気持ちも引き締まりました。
どのような事態であっても動じず変わることのないもの、
それが作品に漲る普遍性なのかもしれません。
タイトルをつけない伊藤さんの作品と向きあうことは、
自分自身と向きあうことであると、今回よくわかりました。
伊藤さんの絵を見ながら、映し出された自分自身の姿に
耐えなければなりません。
まさに真剣勝負。
けれども、絵を見ながら削ぎ落すべきものも見えてきます。
それを心しながら、生きていくだろうと思います。
伊藤二子さん、ありがとうございました。
最後にお願いして、写真を撮らせていただきました。
伊藤二子さんと、青森県立美術館の高橋しげみさん。
最強のお二人。
お二人からは、似たものを感じます。
高橋しげみさんの伊藤二子さんへの深い理解と、
丁寧な聴き取りによる資料の作成、
伊藤さんそのものを感じる斬新な展示のセンスには、
まさしく目を洗われるようでした。
お二人と『伊藤二子と八戸展』に感謝します。
娘が、前回載せた伊藤二子さんがとても好きだと言うので今回も。
人にカメラを向けるのは難しい時代で、滅多に人物を撮ることがありません。
いろいろご負担をかけたかもしれませんが、ほんとうに感謝しています。