1月21日は、新井豊美さんのご命日です。
ごらん もう雪だ
書物に記されている悲劇的な
終末の破片がぼたん雪のように降ってくる
とても美しい風景だ 古いスクリーンに
白い冬の顔がつぎつぎに映しだされて
だが みんな同じようで
だれがだれなのか見分けがつかない
わたしたちは本質から引き離され
あかるい箱の中でこすれあって
さらにつめたく無関心なあたらしい存在を
生み出してゆくだろう
*
間違っているよ
と小さな声が言った
だれが?
わたしの横に老いた冬の木が
ひっそりと来ていた
(『草花丘陵』所収「日記/冬の木」より)
12月から咲いているのは日本水仙ばかりと思っていたけれど、
こんな八重咲きの水仙も咲いていました。
水仙が好きだったという人のために、花瓶に活ける。
とてもよい香りです。