4月14日は古賀忠昭さんのご命日です。
五月二十九日(月)晴れ
雲のことを書いてもいいか? よしてくれよ!
あっちからもこっちからも声がしてきた
調子がいいので今日は一日中 本を読んだり
ゴキブリの詩を書いたりしていました ゴキ
ブリの詩を書くことの たのしいことたのし
いこと
ゴキブリがわたしに人生をおしえてくれまし
たと書いておきます
七月二十二日(土)
……
素子ちゃん来る。ウナギなどもって。
「ウナギめし」みんなたいらげる
……
八月二日(水)
幸福なんてえものなど、さがさなければよかった
さがしたおかげで、不幸が、もっと近くにみえる
ようになってしまった
さんぽにいっていたのですか? いえ、(しばら
く間をおいて)いっぽです。
虫の息というものをきいてみたい 死にゆく時の
私の最後の息づかいのはずだから。
明日退院。
(「古賀忠昭病床日記」より
/「子午線 原理・形態・批評 Vol.4」掲載)
古賀さんの病床日記から書き出そうと、ここもここもと、何度も
読み返しました。
「「ウナギめし」みんなたいらげる」というところに泣ける。
家族愛の強い人でした。