6月15日はひどい雨で、紫陽花は濡れて重く垂れた。
紫陽花の青に、面影はにじんで、
花びらからこぼれたしずくは、この胸をつたう。
紫陽花の青を、天上に捧ぐ。
銀梅花。
マートル、ミルタスという別名も。
「ゼカリヤ書」について調べていたら、マートルという木の名前が
何度も出てきて、それならば自分の庭にもあるからと、
その日一輪だけ咲いてあとはつぼみだけの枝を切って贈り物にした。
そのときに落とした枝をさしておいたものが、ようやくひらいた。
細い枝だったからか、小さな小さな花だった。
雨に打たれながら、咲いた花を切りにいくと、
葉が清々しく香った。
葉の香りをお酒に移して飲むということを、まだ試していない。
純白の花を彼の人に。
紫陽花の庭にお客さん。