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そこでは
えいえん という観念が垂直に
光の滝に打たれている
野茨の白く咲く道を
かわいた風が駆けぬけて
視界は遥か高空へかたむいてゆく
畑や森
崖や隧道
家々やカモメたちの寂しい岸壁を乗せ
うつくしいめまいのように
(新井豊美『半島を吹く風の歌』より「岬」部分)
◆
1月21日は、新井豊美さんの御命日でした。
日付が変わると詩集をひらき、
夜が明けてから写真を撮りました。
毎年おなじ日にこうやって詩を読み、
紙の本がのこされて手許にあることに感謝しながら
一日を送ります。
いまでも時折、バスに乗る人たちのなかに
新井豊美さんがいるような気がします。