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翡翠の谷の白い石造りの建物のなかでは
子を抱えた母親の足さきが
今も浮いたままだ
火の海から飛び立った母親の両腕は強く
救い出されたものはまるくやすらぐ
そのように何かを抱いて昇っていくものなのかもしれない
爪さきを伸ばし、花の香りに吹きあげられた
(自作詩より)