もう5月ですが、雪国では、いっせいに芽吹き、花が咲き始めます。
地震の一カ月前、2011年2月11日に撮った書影。
柳田國男のこだわりが見える岡書院発行、函入の『雪国の春』(真中)。
1928年刊ですから、83年前の本になります。
その上にあるのが、創元社発行の『雪国の春』です。
函入の装幀は、日本の気候や湿度という条件から、やはり本を守ると思います。
函は変色がありますが、中はとてもきれいでした。
もちろん、紙質もあると思いますが。
下は黒田喜夫の詩集『不帰郷』。
もともと東北生まれですが、ここ数年思いは東北に向かっていたのでした。
「清光館哀史」には、故郷の町の名前も出てきます。
「文学的故郷」という、わたしたちに共通の故郷というのもあるのだと思います。
写真を撮った時とはちがう愛しさで、なんだか泣けてきます。
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先日、青森に行きましたが、バスに乗ると「座りましたか、動きますよ、座ってくださいね」
と運転手さんが言い、電車で席を詰めあっては大人も子供もちゃんと「ありがとう」と言い、
交番で道を尋ねると丁寧に教えてくれた上に「雨ですからお気をつけて」と
送り出してくれる(とても若い人でした)。
バスの中では、桜の名所について旅人に語りかけ、みな穏やかです。
普通のことですが、わたしたちは普通のことを口に出さずに無言で
やりとりすることになれてしまったようにも思います。
声をかけあい、ゆずりあい、労わりあって、普通のことをちゃんと
やっている人たちを見て、やさしい気持ちになって帰ってきました。
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時期を逃してしまいそうなので、あわててこれも。
筍をいただいたのですよ♪
糠漬けをしていてよかった……と思いました。
いつでもあく抜き用の糠があります。
大きな筍だったので、筍ご飯のほか、数種類の料理を作りました。
筍入りのミートソース。
島ラッキョウも入っています。
トマト味ですが、玄米味噌もすこし入れてあって、
ミートソースというよりも、野菜たっぷりの肉味噌に近い感じです。
パクチーをのせて。
筍と野菜を炒めてスープで煮たもの。
筍のほか、もやし、人参、白菜、玉ねぎ、椎茸などたくさんの野菜を入れて。
セロリも合います。
もやしは、炒める前に、塩をふって余分な水分を出しておきます。
炒めた後にスープを入れるのですが、水分の多い炒め物という感じですね。
お酢を少し入れています。
大量に作って、麺を入れたり、雑炊にしたり、スープかけご飯のようにしたり、
数回に分けて食べています。
オムライスにチーズをのせて、カレーをそえて、チーズが溶けるまでオーブンに入れたもの。
どこが筍料理?という感じかもしれませんが、まず、カレーに筍が入っているのです。
それから、柔らかい穂先の薄皮の部分も入れて炊いたトマト味のご飯が、
オムライスの中に入っています。
トマト好きですが、ケチャップも好きなので、多めにかけてあります。
オムライスもカレーもさらにチーズも食べたいという、欲張りな一皿(笑)。
冷蔵庫の中、片づけたかっただけなんですけどね。
筍ではありませんが、東北は、八戸で買ったお皿に載せた
ラディッシュの糠漬け。
このお皿、漬け物皿として、ほとんど毎日使っています。