久しぶりに、川連漆器を出しました。
きれいな赤い色で、元気が出るように。
特別な日ではないけれど、しばらく気持ちも生活も荒んでいて、なんだか消耗しきって
しまったので、今日は自分にちゃんとしたものを食べさせよう。
「何が食べたい?」と自分に尋ねる。
疲れていると、それさえ思い浮かばないんですよね。
自分のためにって、案外いつでも後回しにしてしまってむずかしい。
でも今日は、先に赤い漆器を使うと決めていたので、それに詰めるものを考えました。
そうだ、いなり寿司を作ろう。
というわけで、美味しい油揚げをいつもよりたくさん買って、いなり寿司を作りました。
甘辛く煮た油揚げに、酢飯を詰めるだけ。
おいなりさんて、なんて美味しいんだろう。
残った酢飯で、ちらし寿司も作りました。
ミモザの花のように、黄色い炒り卵も散らして。
具材は、牛蒡、蓮根、人参、舞茸、鶏挽き肉、油揚げ。
ハスは、白いほうが綺麗かなとも思いましたが、常備菜にもなるように、
先に煮ておいたものを、酢飯に混ぜ込みました。
寒いなか咲いている青いボリジの花と、三つ葉をのせて。
元気を出そうね。
日本酒もちょっと飲みました。
1月24日は、大好きだった人を思いながら日本酒を飲む日と決めて
いるので、そのために久しぶりに買って残っていたお酒を飲みました。
生きているといろんなことがあるなあ……。
酒は憂いの玉箒。
口に出せないことも、すべてわかってゆるしてくれる。
生きている間に優しかった人は、たった一人の話し相手となって、
今でもそれとなく励ましてくれるのでした。
一見ぶっきらぼうで、でも誰よりも優しくて、そんな姿を思い出しては
可笑しくて泣けてきます。
よし、元気になりました。