今日4月14日は、古賀忠昭さんのご命日です。
二〇〇六年 四月十四日
陽だまりの この 小石のあたたかさは妻や子のあたたかさだ
じっと にぎっていると それがよくわかる
小石を三つひろってきて 病室の フトンの中でいっしょに寝る
妻と二人の子を抱きよせるようにして ねる
ペル サン チッチ ピー ワタシのうちの猫の名です
(「古賀忠昭病床日記」より/「子午線 原理・形態・批評 4」に掲載)
古賀忠昭さんの絶筆である「病床日記」は、
「子午線 原理・形態・批評」4号に掲載されています。
残された時間と体力を見据えながら書き遺された日記について
稲川方人さんは、「書くことの実直なまでの衝動を許している。
古賀忠昭のその瑞々しい衝動は体験するに値いする」と
同号に掲載された「古賀忠昭病床日記について」で書いています。
詩人として生を全うした古賀忠昭さんの病床日記を読みながら、
書くことが最後まで残されていたということに光を見ました。
ごく個人的な感想になりますが、ご家族を思って書いた言葉には、
身内ではない私までもがとてもなぐさめられました。
古賀さんのノートにきっちりと書かれた文字を思い返しながら、
手で書いた文字が活字になることの意味と意義を深く感じています。
それは、ほかの作品をも読みながら、今号とくに強く感じたことでした。
「子午線 原理・形態・批評」は、4号から新しく立ち上げた
「書肆子午線」から刊行されています。
「子午線 原理・形態・批評」は、毎号、渾身のインタビューが興味深く
読みごたえがあります。
ページ数も多く、力強い作品が並んでいるのに、誌面が清々しく
読みやすいのは、美しいデザインによるものだろうと思います。
編集後記もまた感慨深く読みました。
書肆子午線からは、古賀忠昭さんの遺稿詩集である
『古賀廃品回収所』が出版されています。
美しい紙の本は、大切にされ、残るだろうと思います。
なーんだ 生きていたんだ 無明の中で
私ははしゃぐようにつぶやいていた
(「古賀忠昭病床日記」二〇〇六年五月二十三日より)
※ちょっと体力不足で、途中メモのようなものをアップしてしまいました。
ごめんなさい。