朝、ツマグロヒョウモンが来ていた。
アオマツムシ。
に…にらんでる?
でも、花びら、かじりましたね?
◆
あるベストセラー本を読んでいたら、
「命は命でしか養うことができない」と書いてあって、
同居人のために、生きた餌を与えていることも
つまりはそういことなのだと思う。
それで生きた食品をとらなければならないということで、
蜘蛛やら芋虫を捕まえたり、コオロギを飼ったり。
野菜に青虫がひそんでいると、得したと思うようになった。
先日、職場の植え込みの薔薇の葉に、
まだ小さな青虫がたくさんいて、
枝ごと切って持って帰った。
まだ小さいし、すこし育てようと思い、
持ち帰ったデパートの紙袋に入れたまま飼っていた。
深さのある紙袋なのでこのままでいいだろうと、
そのまま玄関に置いて、霧を吹いたり新しい葉をのせたり。
ある日、ほとんど葉を食いつくしていたので、
新しい葉を持ち帰った。
さて葉をやろうと見ると、壁になにやらついている。
よく見ると、1センチばかりの虫がてんてん壁をはっている。
…………。一瞬からだがこわばる。
これは……さながら「毒虫飼育」のよう。
飛ぶわけではないし、まさか逃げ出すとは思っておらず、
油断していた。
あわてて新しい葉と共に、今度は飼育ケースに戻したものの、
数が足りない。
それでその数日後にふとキッチンを見ると、
なんとガス台の近くに立てた木べらに1匹くっついていた。
狭いキッチンとはいえ、様々な障害物のある複雑な距離を、
どうやってそこまで這っていったかと、心底感心してしまった。
その先の窓には、補充用の薔薇の枝が活けてあって、
それを目指したのだろうか。
どこからか入ってくる小蠅もそうだけれど、
虫たちの嗅覚?には驚かされる。
◆
いつのまにか世話する生き物が増えてしまった。
もうこれで限界と思っていたのだけれど、
また糠漬けを始めることにした。
人間らしく暮らすことを考えていると、いつも食に戻る。
生活は不規則だし、睡眠時間は短いし、
健康志向なわけではなくて、
おいしいものを食べたいだけなのだけど。