すこし前まで、「署名する」ということが、とてもこわいことの一つでした。
自分の住所を明かすのが、こわくてたまらなかったのです。
わたしには、こわいものがたくさんあって、
自宅の玄関チャイム、家の電話が鳴る音、などなど……。
宅急便を受けとるのも、最近ようやく平気になりました。
こわくない人には、全くわからないことかもしれませんが。
わたしも、カエルがこわいとか、林檎をかじる音がこわいとか、
ふーん、よくわからないなあ、ということがありますから、
人それぞれですね。
「嫌い」というのは、わりとわかるのですが、
「こわい」というのはまた別のものですから。
さて、そのこわかったものの一つの「署名」ですが、
これはいきなり人から突きつけられるという感じでやってきて、
その度にしどろもどろになりながら、断れるものは断って、
断り切れなかったものは、あとあとまで、恐怖感をひきずっていました。
だいたい署名というのは、義理でするものではありません。
けれども、大震災の後、わたしはいくつかの署名をすすんでしました。
原発に関すること、人権に関すること。
自分で考え、判断し、行動するということは、責任のとれることで、
署名恐怖症もほぼ克服しつつあるように思います。
もしかしたら、同じような理由で、署名したくない人がいるかもしれませんね。
でも、自分の氏名や住所を書くということは、
本来それだけの重みを持っているということではないでしょうか。
ひとりひとりの名前の重みが、世の中の天秤を動かすかもしれません。
それは、今この状況にあって、希望の持てることのように思います。
自分ひとりの重さはささやかであっても、
自分の判断で、自分が正しいと思うことの錘となること。
わたしはたくさんの署名は集められませんから、
親しい者たち数名の署名でも、声をかけてみようと思います。
◆原発に関しては、以下のサイトを紹介します。
オンラインでの署名もできます。
1000万人署名用紙をクリックすると、
自筆署名の署名用紙を印刷することもできます。
また、署名に関する詳しい説明と、送り先も書いてあります。
最終締め切りは、2012年2月28日です。
オンライン署名も、自筆の署名も、その効力に違いはありませんが、
オンライン署名の場合は、提出先が内閣総理大臣宛に限られます。
衆参両院(国会)宛ての署名は、自筆の原本を提出する必要があるそうです。
◆また、原発をどうするか、国民投票によって決めようという活動もあります。
これに関しては、
『原発をどうするか、みんなで決める 国民投票へ向けて』(岩波ブックレット)
という本を読むとよくわかります。
◆国民投票の運動と並行して、東京都・大阪市での
「原発」住民投票を実現することを展開しています。
こちらはネット署名とは違い、地方自治法に基づく法定の署名です。
ですから、受任者による、自筆の署名集めになります。
12月10日から、直接請求のための署名集めが始まります。
住民投票に関しては、今井一さんのこちらを読んでみてください。