生活が大きく変化した。
自分自身もまた、大きく変わったことを実感している。
これまで以上に忙しく、暮らすことに精一杯だけど、
若い時のもがくような苦しさを思い返すと、ようやく静かな時を迎えたのだとも思える。
あんなにたくさんのものを持っていたのに、何も持っていないような気がしていた。
まだ失っていないものにも気づかず、すべてをなくしてしまったと打ちひしがれた。
若い人よ。
6月の青い星は、毎夜、あなたの胸をよぎる。
おろせない荷もあり、多すぎるものを手放し、欲しいものを見送り、
落ちる時の砂の残りを見つめるいま、
ささやかな暮らしの尊さとやすらぎと。
ここにたどりつくことになっていたのだとさとされるような出来事が、
この数年たびたびあった。
若さゆえのおろかな過ちさえも、挫折も、苦悩と焦燥も、
避けられるほどの賢さをわたしは持っていなかったけれど。
若い日のわたしよ、まだその先があるんだ。
あなたの目は多くのものを見続けて、まだまだ考え続けるんだ。
そしてその先でなければ気づかないこととも、たくさん出会う。
6月の青い星は、今宵も。